よく耳にする『グレーゾーン金利』ってどんな金利のこと?
『グレーゾーン金利』の生まれた背景とは
テレビのコマーシャルなどで「過払い請求は○○法律事務所へ」といった宣伝を見ることがあると思います。
これは『グレーゾーン金利』というものによって、払いすぎた利息を取り戻そうというものです。
貸金業者が守るべき金利の設定とは
賃金業者の金利はいくらでも好きに設定できるわけではなく、『利息制限法』と『出資法』に基づいて設定されています。
『利息制限法』での金利
貸金業として業を営むには、利息制限法に基づいた金利が前提になります。
利息制限法によると、上限金利は貸付額によって上下しますが年利15~20%です。
もしもこの金利に違反してこれ以上の金利で設定されていた場合は、再度利息を計算しなおして超過する分を取り戻すことができます。
これが先に述べた『過払い請求』と呼ばれるものです。
ただし、利息制限法に違反していたとしても、賃金業者は行政指導を受けるだけで特に罰則規定がありません。
『出資法』での金利
出資法に違反すると、利息制限法とは違って刑事罰に問われることになります。
出資法での金利は現在年利20%です。しかし2010年6月に賃金業法が改正される以前までは年利29.2%でした。
利息制限法と出資法の上限の違いが『グレーゾーン』を生んだ
利息制限法の年利と、賃金業法が改正される以前の年利20%であった出資法とを比較すると分かると思いますが、利息制限法は明らかに超えているけど出資法は超えないという部分が出ます。
例えば年利25.5%であれば利息制限法は超えていますが、出資法には違反していません。
このどちらとも言えない、白か黒かもわからない部分が『グレーゾーン金利』です。
一昔前までは大手の消費者金融でもこのグレーゾーン金利をかけていました。
そのため、その頃に長期にわたって消費者金融でキャッシング利用していた人たちは、利息を払い過ぎている可能性があります。
『みなし弁済』が邪魔をして思うように取り戻せなかった過払い金
2010年に賃金業法が改正されるまででも、利息制限法を超える利率は無効でしたので過払い請求はできたはずです。
しかし貸金業法には『みなし弁済』という規定があったため、過払い請求を受けた貸金業者はこのみなし弁済を盾に抵抗していました。
みなし弁済とは利息制限法を超えても良いという法律?
みなし弁済は2010年の法改正により削除されましたので、これを盾にされることはなくなりました。
元々のみなし弁済の内容は、貸金業者と利用者が契約する際に、法律で定められた記載事項を全て記載して契約書を作成交付していて、お金を借りる側がそれを利息として認識し支払った場合は例え利息制限法を超えていても問題ないというものでした。
2010年に法改正があってからは各地方の司法書士などが債務整理や過払い請求を専門的に行うようになる位、過払い請求があちこちで行われるようになりました。