自分で出来る借金整理の方法『特定調停』ってどんなことをするの?
弁護士に頼まなくてもできる特定調停とはどんな手続きか
複数からキャッシングを利用して返済が滞りつつある状態だけど自分で解決したいという場合、「特定調停」という方法があります。
似たような手続きに任意整理がありますが、特定調停の場合は長くキャッシングの利用をしている場合などで過払い金が発生した場合でも取り戻しは行われません。
そして裁判の判決と効力が同じなので返済ができなくなった場合は、すぐに給料の差し押さえといった強制執行をされてしまう可能性はあります。
しかし手続きが自分で行えることや、費用が一社につき数百円で済むというメリットもあります。
特定調停を行うメリットとは
①簡易裁判所が借金をした人と貸した側との話し合いの仲裁に入ってくれます。
返済するという前提で、返済がスムーズになるような内容で合意できるよう働きかけてくれます。それによって少しでも返済が軽くなれば生活を立て直すことができます。
②すべての借入に対して調停を行わなくても、どの借入に対して行うかという選択ができます。
③資格制限についても、自己破産すると免責決定まで就けない資格がありますが、特定調停にはありません。
④民事執行停止の申立を裁判所に行うことで、強制執行手続きが行われているものがあっても停止することが可能です。
特定調停を行うデメリット
①申立書など書類が複数ある上に、貸した側と話し合うを行うため簡易裁判所に自分が出廷しなくてはいけないので手間と時間が必要です。
②簡易裁判所によって調停基準がバラバラです。任意整理なら成立するまでの期間の遅延損害金や将来利息など原則カットされるのに対して、特定調停の場合は支払わなくてはいけなくなることもあります。
③特定調停が成立した後に作成される調停調書によって強制執行が可能になります。ですからこの調停調書どおりにしっかり返済ができないと強制執行を受ける危険性があるということです。
また、あくまでもお互いが合意すれば返済は軽くなりますが、貸した側が協力的に動くとも限りません。不成立に終わることもあるということです。
その場合は自己破産もしくは個人再生という形を選択する方法か、訴訟手続きとして争う形になります。
④特定調停に関わる調停委員は債務を整理する専門家ではないこともあります。ということは借金を軽くしたくて申し立てたのに、自分にとって不利な調停内容で終わる場合もあるということです。
⑤特定調停を行った事実は信用情報機関に登録されますので、5年から7年は新しく借り入れなどができなくなります。
特定調停を利用できる人の条件
誰でも利用できるというわけではなく、減額した後3年程度での返済が見込める金額の借金の人で、継続した収入を得る見込みがある人に限られます。
いずれにしても手続きを自分で行わなくてはいけないため、費用面からみるとメリットはありますが自信がない場合などは法律の専門家などを頼って任意整理などを行ったほうが良いでしょう。